Q助v3 COMPATIBLE

問診システムのしくみ

総務省消防庁の緊急度判定プロトコル(Q助v3)に準拠した、決定論的な受診支援の設計。専門家でなくても5分でわかるよう図解します。

Overview
このシステムは何をするもの?

安心マップの問診システムは、「いま、どこに連絡すれば良いか」の目安を提示する情報提供サービスです。「診断」「処方」「治療方針の決定」は一切行いません。公的プロトコル(Q助v3)の決定木に沿って、緊急度の段階と受診先の種類(119・#7119・病院・オンライン診療など)を並列に提示します。最終的な医療行動の選択は、常に利用者本人が行います。

3 Entries
3つの入口
利用者の受診意図に応じて3つの入口から問診を開始できます。どの入口からでも、危険な徴候を検知すると即座に救急フローへ接続します。

いつもの薬がほしい

慢性疾患の定期処方や軽症の急性疾患を、オンライン診療などの非対面医療サービスへ案内します。麻薬・向精神薬など規制対象薬剤は対面受診のみ案内します。

症状にあった病院を探したい

症状・年齢・受診希望時期・医療機関属性を段階的に聴取し、公的データに基づく複数の医療機関候補を客観的な要素(距離・診療時間など)で並べて提示します。

救急か判断したい

総務省消防庁のQ助v3プロトコルに準拠した決定木で緊急度の目安(赤・黄・緑・白)を提示します。赤判定時は119以外の選択肢を一切表示せず、迷いなく通報を促します。

Safety First
レッドフラグ:最優先の安全弁
どの入口から始めても、危険な徴候が1つでも選択された瞬間に救急フローへ強制的に切り替わります。これにより、利用者が入口を誤って選んでも重篤な見落としを防ぎます。
入口選択
冒頭スクリーニング
レッドフラグ検知
強制遷移
119番へ

主なレッドフラグ徴候:

胸の痛み・強い息苦しさ
意識がもうろう・反応が鈍い
突然の激しい頭痛
片側の麻痺・ろれつ障害
けいれん・大量出血
高熱・嘔吐が止まらない

上記が検知された場合、オンライン診療・病院案内など他のすべての導線は表示されません

Triage Level
4段階の緊急度の目安
Q助v3と同様の4段階で提示します。利用者向け画面では「判定」「診断」という語は使用せず、「目安」として表示します。
RED
直ちに救急要請が望ましい目安
→ 119番のみ
YELLOW
数時間以内の受診が望ましい目安
→ 救急・往診・#7119
GREEN
近日中の受診が望ましい目安
→ オンライン・病院検索
WHITE
経過観察が望ましい目安
→ セルフケア情報

内部識別子(triage=red/yellow/green/white)は利用者向けUIでは「目安」として表示。「診断」「判定」の語は使用しません。

Design Principle
なぜAI(LLM)で判定しないのか
確率的な推論ではなく、公的プロトコルに準拠した決定論的な決定木を採用しています。この設計判断には明確な理由があります。
確率的AI(LLM)を使う場合
  • 同じ入力でも結果がばらつく可能性がある
  • なぜその結果になったか説明しにくい
  • 薬機法上のプログラム医療機器(SaMD)該当の疑義が生じやすい
  • プロトコルのバージョン管理・監修が難しい
Q助v3準拠の決定木(採用)
  • 同じ入力には常に同じ結果——再現性が確保できる
  • 決定木の分岐ごとに根拠(evidence)を記録、説明可能
  • 総務省消防庁が医療機器として規制しないQ助と整合
  • JSONフロー定義でプロトコルバージョンを追跡管理できる

判定アルゴリズムは決定論的な決定木としてJSONに明示的に記述され、全ての終端(outcome)は原典の該当箇所(evidence)とともにソースコードに記録されています。

Neutrality
私たちが「市民の味方」を貫くための具体策
症状チェック系のサービスは、最終的に自社のオンライン診療や提携先へ誘導する設計が一般的です。安心マップは、設計原則として中立性を徹底しています。その具体的な仕組みを紹介します。

複数事業者の並列併記

オンライン診療・往診の提示では、特定1社のみを推奨する表示を禁止しています。複数の事業者を並列に並べ、利用者自身が比較・選択できる状態をつくります。

公的窓口の最優先提示

レッドフラグ該当時・赤判定時には、提携先への誘導より119番・#7119・#8000を必ず先に提示します。事業連携の有無は、この安全原則に優越しません。

掲載順とラベルの透明化

掲載順の恣意的な固定を内部ガイドラインで禁止しています。事業連携の有無は、画面上のラベルによって利用者に可視化します。

開発プロセスでの確認体制

コード変更時(Pull Requestレビュー)に「特定事業者の単独推奨が含まれていないか」「並列併記が維持されているか」を必ず確認するプロセスを運用しています。

特に重要な設計判断: 赤判定画面には、119番通報以外の導線を一切表示しない。切迫した状況で利用者の意思決定を迷わせないこと、および商業的な誘導を排除することを目的とした明示的な設計です。(仕様説明書 v2.0 第6.4章)

「事業連携が存在する場合であっても、レッドフラグ該当時および赤判定時には、連携先への誘導よりも公的窓口(119、#7119、#8000)を優先して提示する」

— 問診システム仕様説明書 v2.0 第7.4章「中立性ガイドライン」
Legal Position
法的位置付け(ざっくり)
厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(2023年改訂)が定める3区分のうち、「遠隔健康医療相談」の類型として設計されています。

※ 本ページの法令解釈は公知の法令・行政ガイドラインに依拠するものです。最終的な適法性判断は法務担当者が行います。

Privacy
個人情報はどう守るか
症状・位置情報などは個人情報保護法上の要配慮個人情報に該当し得るため、最小限取得の原則で設計されています。

直接識別子を取得しない

氏名・生年月日・電話番号・メールアドレス・保険証番号などは本システムの機能上取得しません。

位置情報は500mメッシュに匿名化

医療機関検索に用いる位置情報は、500mメッシュに粗粒化した匿名情報として扱います。個人を特定できる粒度では保持しません。

外部への個人情報の受け渡しなし

オンライン診療等の外部サービスへ遷移する際、本システム側から個人識別情報を受け渡しません。遷移先での情報入力は、そのサービスのプライバシーポリシーのもとで行われます。

さらに詳しく

医療関係者・法律実務家向けの詳細仕様書、または「受診前需要」の解説ページをご覧ください。