第1章 本書の目的および位置付け

1.1 本書の目的

本書は、情報提供サービス『安心マップ』に実装された問診システム(以下『本システム』という)の構造、設計原則、判定アルゴリズムの基礎、ならびに関連する法令および行政ガイドライン上の根拠を、医療関係者および法律実務家に対して透明に提示することを目的とする。

本書は、本システムが医師法、医療法(2026年4月1日施行の改正法を含む)、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下『薬機法』という)、個人情報の保護に関する法律、および景品表示法に照らして、いかなる設計思想のもとで運用されているかを明らかにし、地域医療関係者、監修医、および法務観点のレビューを受けるための基礎資料となる。

1.2 本システムの位置付け

本システムは、『夜間・休日を中心とした受診判断の迷いを減らし、生活者が状況に応じて適切な医療行動を取りやすくすること』を目的とした医療導線サービスの構成要素である。本システムは、以下のいずれにも該当しないことを前提として設計されている。

  • 医師またはその他の医療従事者による診療行為(医業)
  • 厚生労働省『オンライン診療の適切な実施に関する指針』(2023年改訂)にいうオンライン診療
  • 同指針にいうオンライン受診勧奨
  • 薬機法第2条第4項に規定する医療機器(同条第18項のプログラム医療機器を含む)
  • 特定の疾病の診断、治療または予防を目的とするプログラム

本システムは、同指針が定める3区分(オンライン診療、オンライン受診勧奨、遠隔健康医療相談)のうち、『遠隔健康医療相談』に最も近い類型として設計されている。すなわち、一般的な医学情報の提供および一般的な受診勧奨にとどまり、個別の患者に対する疾患名・疾患可能性の提示、治療方針の判断、処方の判断は一切行わない。出力は、公的プロトコル(Q助v3)に基づく受診タイミングおよび受診先類型の目安の提示に限定されており、最終的な医療行動の選択は常に利用者の責任に委ねられる。

1.3 本書が扱う範囲および限界

本書は、問診システムの論理構造、判定ロジック、出力設計、安全弁(レッドフラグ)、中立性および法令遵守のための設計上の工夫、ガバナンス体制を中心に記述する。データ基盤、インフラ構成、UI詳細、SEO実装等の補助的仕様については、別紙『アーキテクチャ概要』『プロトコル・マスタデータ更新手順』等を参照されたい。

本書に記載する法令解釈は、公知の法令、行政ガイドライン、および公表資料に依拠するものであり、監督官庁の個別判断または将来の裁判例により変更される可能性がある。本システムの最終的な適法性判断は、個別の運用事実を踏まえて法務担当者が行う。

第2章 本システムの法的位置付け

本章は、本システムが医師法、医療法、薬機法、および関連ガイドラインのもとで、いかなる位置付けにあるかを整理し、本システムが『受診支援の情報提供プログラム』の範疇にとどまること、およびそのために採られている設計上の措置を示す。

2.1 医師法第17条と『医行為』の枠組み

医師法第17条は、『医師でなければ、医業をなしてはならない』と規定する。同法第31条は、その違反に対する刑事罰を定める。ここにいう『医業』とは、厚生労働省2005年通知『医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について』により、次のように整理されている。

医師の医学的判断及び技術をもってしなければ人体に危害を及ぼし、又はそのおそれのある行為(医行為)を、反復継続の意思をもって行うこと。

さらに、最高裁判所第二小法廷令和2年(2020年)9月16日決定(いわゆるタトゥー事件)は、医師法第17条の『医行為』について、単に人体に危険を及ぼすおそれがあるだけでは足りず、『医療及び保健指導に属する行為』であること、すなわち医療関連性を併せて要するものと判示した。これにより、現在の行政解釈および裁判実務は、医行為該当性を次の2要件で判断する枠組みに整理されている。

  • 保健衛生上の危険性(人体に危害を及ぼし、またはそのおそれがあること)
  • 医療関連性(医療及び保健指導に属する行為であること)

本システムは、公的プロトコルに基づく受診タイミングの目安を表示するにとどまり、人体への直接の侵襲、投薬、個別疾患の診断、治療方針の決定のいずれも行わない。したがって、上記2要件のいずれも充足せず、医師法第17条にいう医業には該当しない。

2.2 オンライン診療指針の3区分と本システムの位置

厚生労働省『オンライン診療の適切な実施に関する指針』(2023年改訂)および同Q&A(2026年版)は、情報通信技術を利用した診療等の行為を次の3区分に整理している。

区分 内容 主体 個別の疾患可能性・診断の提示
オンライン診療 医師・歯科医師が映像・音声による相互通話によって診察・処方等を行うもの 医師・医療機関のみ 可(診療行為として実施)
オンライン受診勧奨 医師が情報通信機器を介して患者に受診を勧奨するもの 医師のみ 可(ただし処方・治療判断はオンライン診療側)
遠隔健康医療相談 一般的な医学情報の提供および一般的な受診勧奨にとどまるもの 医師以外でも可(医師監修マニュアルが前提) 不可(個別の疾患可能性提示は禁止)

同Q&Aは、医師以外の者が対応する遠隔健康医療相談についても、『患者個人について疾患のり患可能性を示すことは、医師・医師以外を問わず、オンライン診療またはオンライン受診勧奨に当たり得る』と明示している。すなわち、非医師事業者が『あなたは◯◯の可能性があります』と個別具体的な病名可能性を提示することは、区分をまたいで規制対象となる。

本システムは、この区分整理のうち『遠隔健康医療相談』に最も近い類型に属する。本システムは次の設計原則により、個別の疾患可能性提示・診断の領域に一切立ち入らない。

  • 出力は、緊急度の4段階目安(赤/黄/緑/白)および受診先類型(119・#7119・#8000・医療機関・往診・オンライン診療)に限定する。
  • いかなる画面においても、個別の疾患名、疾患可能性、治療方針、薬剤、用量、用法を提示しない。
  • 『診断』『判定』の語は、利用者向け表示に用いない(内部識別子としての triage=red/yellow/green/white は、UI上は『目安』として提示する)。
  • 判定アルゴリズムは、公的プロトコル(Q助v3)に対応づけられた決定論的な決定木として公開可能な形で保持し、大規模言語モデルその他の確率的推論を判定に使用しない。
  • 医師監修マニュアル(本書および付随するJSONフロー定義)に従い、監修医のレビューを経ずに安全性に関わる分岐を追加・変更しない。

2.3 薬機法上のプログラム医療機器(SaMD)との関係

薬機法第2条第4項は医療機器を、同条第18項はプログラム医療機器を定義する。厚生労働省および独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、該当性判断の考え方として、以下2点を中核的な判断要素に挙げる。

  • 医療機器としての目的性(疾病の診断、治療、予防を目的とするか)
  • 不具合発生時に人の生命・健康に影響を与えるおそれの程度

本システムは、第1点について、疾病の診断・治療・予防を目的とせず、受診タイミングと受診先類型の目安提示を目的とする情報提供プログラムである。第2点についても、出力が確率的推論ではなく決定論的なプロトコル参照にとどまり、かつレッドフラグ検出時には直ちに119等の公的窓口へ利用者を接続する安全弁を備えていることから、本システム単体の不具合が直接的に生命・健康に影響するリスクは抑制されている。

これらの設計上の特徴は、総務省消防庁が提供する救急受診アプリ『Q助』が医療機器として規制されていない運用と整合する。本システムは、判定ロジックをQ助v3に対応づけることにより、独自の診断アルゴリズムを構築することによるSaMD該当性の疑義を意図的に回避している。

2.4 改正後医療法(2026年4月1日施行)との関係

2026年4月1日施行の改正後医療法は、『オンライン診療』および『オンライン診療受診施設』を法定義し、オンライン診療を行う医療機関の届出、オンライン診療受診施設の届出、名称規制、および広告規制を明文化した。これにより、本システムのようにオンライン診療または往診を利用者に案内するサービスは、表示の方法によっては同法第6条の5(医療広告)および同法第6条の7の2(オンライン診療受診施設広告)の適用対象となり得る。

本システムは、この規制環境を踏まえ、次の設計原則を採る(詳細は第7章で述べる)。

  • 本システム自体が医療を提供するものではないことを、利用者に誤認させないよう全画面に明示する(LegalDisclaimer コンポーネント)。
  • オンライン診療・往診は、提携医療機関およびその医師が実施する旨を、当該誘導画面において明示する。
  • 特定1事業者のみを推奨せず、複数の事業者を並列併記する中立性ガイドラインを運用する。
  • 医療機関の優良性を比較する表示(『最適』『第1位』等)、および受診結果を断定する表示(『最短で治る』『最も正確な判定』等)は行わない。

2.5 安全領域と危険領域の線引き

以上を踏まえ、本システムが問診において採用する質問および出力の安全領域と、意図的に回避する危険領域は次のように整理される。

類型 本システムの採用 法的整理
事実質問(意識・呼吸・麻痺・出血・持続時間・年齢区分・移動可否等) 採用 遠隔健康医療相談の範囲内。個別の医学判断を含まない。
緊急度の4段階目安の提示(赤・黄・緑・白) 採用(Q助v3準拠の決定論的決定木) 一般的受診勧奨に相当。公的プロトコルへの対応づけにより説明可能性を確保。
受診先類型の提示(119・#7119・#8000・医療機関検索・往診・オンライン診療) 採用(中立併記) 一般的受診勧奨。医療機関個別の優良性評価を伴わない。
個別の疾患可能性・疾患名の提示(『◯◯の可能性があります』等) 不採用 オンライン受診勧奨またはオンライン診療に該当し得るため、非医師運営では禁止領域。
治療方針・薬剤・用量・用法の提示 不採用 医行為に該当。医師法第17条の対象。
特定医療機関の優良性比較・ランキング表示 不採用 医療法第6条の5、景品表示法第5条のリスク。

第3章 システム全体構造

3.1 3入口構造

本システムは、利用者の受診意図を3つに大別し、それぞれ独立したJSONフロー定義(medicine.json / hospital.json / emergency.json)を持つ分岐問診を提供する。利用者はトップ画面(IntentHome)で意図を選択し、対応するフローに進む。各入口は、共通の汎用駆動器(FlowRunner)によって実行される。フロー定義は型付けされたJSON(guide-flow-types.ts)に従い、質問ノード、選択肢、出力ノード(outcome)、ならびに根拠情報(evidence)を含む。

(図版準備中)

図1 本システムの全体構造と3入口の相互関係

3.2 設計上の優先順位

本システムの設計は、以下の優先順位に基づく。順位の高いものが、順位の低いものに優越する。

  • 生命および身体の安全(医師法第17条および救急搬送の観点)
  • 法令遵守(医療法、薬機法、個人情報保護法、景品表示法)
  • 医療アクセスの適切性(過小・過剰トリアージの回避、地域差の反映)
  • 利用者の意思決定を支援する情報提供の公平性(中立性)
  • 利用体験の快適性

たとえば、特定の事業者との連携による導線設計(順位4以下)は、法令遵守(順位2)および安全性(順位1)を損なわないことを条件としてはじめて採用される。

3.3 3入口間の横断動線(安全弁)

3入口は排他的ではない。各入口は冒頭にレッドフラグスクリーニングを備え、該当する徴候が1つでも選択された場合は、他の出力より優先して入口3(救急判断)へ強制遷移する(redirect_emergency アクション)。これにより、利用者が意図分類を誤って選択した場合であっても、重篤な所見を検出した時点で救急判定ロジックへ接続される安全弁が機能する。

この設計は、総務省消防庁の救急相談事業および公的な救急受診啓発資料が、突然の激しい頭痛、顔の片側の麻痺、ろれつ障害、急な息切れ・呼吸困難、胸の圧迫痛、吐血、激しい腹痛等を『ためらわず119番通報すべき症状』として明示していることに対応する。本システムは、これらの所見を問診のどの段階で検出しても、最優先で救急フロー(赤判定)へ接続する。

第4章 入口1:「いつもの薬がほしい」の設計

4.1 対象ユースケースと除外

入口1は、症状が安定している慢性疾患の定期処方、および軽症の急性疾患(花粉症、軽微な感冒症状、軽度の胃腸症状等)に対する再処方または初期の処方相談を、オンライン診療等の非対面医療サービスへ案内することを目的とする。本入口では、本システム自体はいかなる処方判断も行わない。処方判断は、遷移先のオンライン診療または対面医療機関の医師が、当該医師の責任において行う。

次の類型は、本入口の対象としない。

  • 重篤な徴候を伴う場合(レッドフラグ該当) — 入口3へ強制遷移
  • 麻薬、向精神薬、睡眠薬、8日以上の処方を要する薬剤(controlled) — 対面受診の案内のみを表示する

controlled の区分は、厚生労働省『オンライン診療の適切な実施に関する指針』が、初診のオンライン診療において麻薬および向精神薬を処方しないこと、基礎疾患の把握が困難な患者に対して慎重な投与が必要な薬剤を処方しないこと、1回の処方は7日分以内とすることを求めていることに対応する。本システムは、これらの制限に該当する可能性がある類型を、オンライン診療案内の対象からあらかじめ除外する。

4.2 レッドフラグスクリーニング(mf_screen)

入口1は処方希望の聴取に先立ち、次の5項目からなる安全スクリーニングを必ず通過させる。1項目でも選択された場合、オンライン診療案内には進めず、入口3へ強制遷移する(out_escalate)。

  • 胸の痛み・息苦しさ
  • 意識もうろう・強いめまい
  • 激しい頭痛・腹痛・出血
  • 高熱や嘔吐が止まらない
  • 上記のいずれもない(普段と同じ状態)

4.3 フロー構造図

(図版準備中)

図2 入口1 フロー(medicine.json / protocol_version: medicine-mvp-0.1)

4.4 出力設計(MedicineResultPanel)と中立性

本入口の出力は、利用者のかかりつけ医の有無(gp)および薬剤種別(rx_type)に応じて構成されるが、いかなる場合も、特定の1事業者を単独で推奨する表示は行わない。出力は以下の方針で構成される。

  • 第1候補:かかりつけ医(gp=regular または sometimes の場合)。オンライン診療対応の有無を医療機関側の公開情報に基づいて参照案内する。
  • 第2候補:オンライン診療。複数事業者を並列併記し、利用者が自ら比較・選択できる状態をつくる。
  • 第3候補:対面受診。最寄りの医療機関検索(入口2)へ接続する。

controlled に該当する場合、オンライン診療カードは表示せず、当該薬剤が初診のオンライン診療処方の対象外である旨の規制説明(同指針に対応した記述)を冒頭に提示した上で、対面受診先の検索へ接続する。

医療提供主体の明示は、改正後医療法第6条の7の2(オンライン診療受診施設広告)の趣旨に対応する。本画面では、オンライン診療を実際に提供するのは提携する医療機関およびその医師であり、本システムの運営者が医療を提供するものではない旨を明示する。

第5章 入口2:「症状にあった病院を探したい」の設計

5.1 対象ユースケースと設計思想

入口2は、症状、受診対象(年齢・家族)、受診希望時期、および希望する医療機関属性(夜間休日対応、小児科等)を段階的に聴取し、公的データ源(医療機関情報提供制度に基づく医療情報ネット等)に基づく医療機関情報と突合して、利用者に近接する受診候補を提示するフローである。

本入口は、特定の医療機関への誘導を目的とせず、利用者自身が複数候補の中から比較選択できる状態をつくることを目的とする。並び順は、距離、診療時間、年齢対応、診療科、受入可否等の客観要素により構成され、並び順ロジックのバージョンおよび採用要素は別紙『アーキテクチャ概要』に記載する。

5.2 レッドフラグスクリーニング(hp_screen)

入口1と同様、本入口においても次の4項目の冒頭スクリーニングを設け、該当時は入口3へ強制遷移する(hp_escalate)。

  • 意識がもうろう・反応が鈍い
  • 急な胸の痛み・強い息苦しさ
  • 突然の激しい頭痛、片側の麻痺、ろれつが回らない
  • けいれんが続く、大量の出血が止まらない

5.3 フロー構造図

(図版準備中)

図3 入口2 フロー(hospital.json / protocol_version: hospital-mvp-0.3)

5.4 該当なし時のフォールバック設計

検索結果が0件となる場合(夜間・地方等で発生しやすい)、利用者を情報断絶の状態に放置せず、以下の代替導線を提示する。

  • 救急安心センター(#7119)および小児救急電話相談(#8000)への電話相談。電話相談員による緊急外来受け入れ調整の可能性を含めて説明する。
  • 往診事業者およびオンライン診療事業者の並列併記。往診は対象地域の対応可否(home-visit-coverage マスタ)を明示する。
  • 利用者自身が入口3(救急判断)へ再評価として移動するための動線。

#7119は、2026年4月時点で全国41地域において実施されているが、対象年齢、受付時間、運営主体に地域差がある。本システムは、利用者所在地(sharp-7119-coverage マスタによる都道府県判定)に応じて、#7119の実施有無および代替番号を動的に切り替える。#8000は全47都道府県で実施されているが、運営時間帯に差があるため、時刻と組み合わせた案内を行う。

第6章 入口3:「救急か判断したい」の設計

6.1 準拠プロトコル

入口3は、総務省消防庁が公表する『緊急度判定プロトコル ver.3(家庭自己判断)』、および同プロトコルに基づく総務省消防庁アプリ『Q助』の判定体系に準拠して構築されている。本システム内のプロトコル識別子は『emergency-qsuke-v3-compat-0.3』であり、原典に対する互換性のバージョンを追跡管理している。

独自の診断アルゴリズム、機械学習モデル、大規模言語モデル等の推論は、本入口の判定に一切使用していない。判定は決定論的な決定木としてJSONに明示的に記述され、全ての終端(outcome)は原典の該当箇所(evidence)とともにソースコードに記録されている。この設計は、第2章で述べた『薬機法上のプログラム医療機器に該当しない情報提供プログラム』としての位置付けを、技術的に担保するものである。

6.2 判定の4段階

本入口の判定結果は、Q助と同様、以下の4段階で提示される。利用者向けUIにおいては、内部識別子のうち『判定』『診断』の語は用いず、『目安』として提示する。

識別子(内部) 利用者表示上の意味 代表的な出口
out_red 直ちに救急要請が望ましい目安 119番通報の案内(他導線は非表示)
out_yellow / out_yellow_home 数時間以内の受診が望ましい目安 夜間救急医療機関 / 往診 / #7119
out_green 近日中の受診が望ましい目安 オンライン診療 / 医療機関検索
out_white 経過観察が望ましい目安 セルフケア情報 / 悪化サインの提示

6.3 判定フロー

本入口は以下のステップを経る。なお、Step 2(致死的徴候の確認)で該当があった時点で、それ以降の問診は実行せず直ちに赤判定(out_red)を確定する。

  • Step 1 — 対象者の確認(em_who):15歳未満、15〜64歳、65歳以上、妊娠中の4区分
  • Step 2 — 致死的徴候の確認(em_redflags):意識・呼吸・けいれん・出血・急性胸痛・神経症状の6項目
  • Step 2'(妊娠中のみ) — 産科レッドフラグ(em_pregnancy_redflags):大量性器出血、規則的な強い張り/破水、胎動消失・著減
  • Step 3 — 主訴の選択(em_symptom):12カテゴリ
  • Step 4 — 症候別決定木:各症候ノードは Q助v3 の該当節への参照(evidence)を伴う
  • Step 5(黄判定の前置) — 移動可否の確認(em_mobility):黄相当の結果へ到達する手前で、移動困難を申告した利用者には往診を優先提示するため out_yellow_home へ分岐する

(図版準備中)

図4 入口3 フロー(emergency.json / protocol_version: emergency-qsuke-v3-compat-0.3)

6.4 出力設計における安全上の配慮

赤判定画面には、119番通報以外の導線を一切表示しない。これは、切迫した状況下で利用者の意思決定を迷わせないこと、および利用者が別の選択肢(オンライン診療等)を誤って選ぶことを防ぐことを目的とした明示的な設計判断である。この設計は、救急搬送に関する公的啓発資料が、脳卒中疑い・激しい胸痛・呼吸困難・意識障害・大量出血等のレッドフラグがある場合には、他の選択肢より119番通報を先に案内すべきとする考え方に対応する。

黄判定画面においては、移動困難な利用者(mobility=hard)に対して往診カードを優先表示する。これは、高齢者、乳幼児、強い痛みにより移動困難な患者などの受診機会を確保するための配慮である。往診自体は対面医療であり、オンライン診療とは制度上別物であるが、実際の往診可否は対応エリア・時間帯・緊急度・医師のトリアージに依存するため、本システムは『この症状なら必ず往診で足りる』といった断定表示を行わず、あくまで候補としての並列併記にとどめる。

6.5 精神症状への対応(out_mental_consult)

主訴として精神症状(強い不安、自傷の念慮等)が選択された場合、本システムは医学的な重症度判定を行わず、専門の相談窓口(いのちの電話、よりそいホットライン、精神科救急情報センター等)の案内に直ちに接続する。本経路は、精神科医または公認心理師による監修の完了を、公開開始の前提条件として扱う(第9章参照)。

6.6 質問表現の設計基準

本入口に含まれる質問は、厚生労働省『オンライン診療の適切な実施に関する指針』Q&Aが遠隔健康医療相談の範囲として許容する『事実質問』の類型にとどまるよう設計されている。すなわち、次の区別を徹底する。

許容される質問(採用) 回避すべき質問(不採用)
胸が締め付けられる痛みが持続していますか 虫垂炎の可能性がありますか
片側の手足が急に動きにくいですか 蕁麻疹だと思われますか
呼吸が苦しく会話しづらいですか 胸痛は心筋梗塞ですか
けいれん・意識障害・大量出血はありますか あなたは骨折していますか
15歳未満ですか あなたは高血圧症ですか
今すぐ外出できない事情がありますか この症状なら救急車は不要です

右列の類型は、いずれも個別の患者に対する疾患可能性提示・診断・救急要否の断定に該当し、非医師運営の情報提供プログラムが提示してはならないものである。本システムはこれらの表現を、利用者向けテキストにおいて一切用いない。

第7章 表示・広告・中立性に関する設計

7.1 医療広告規制との関係

改正後医療法第6条の5は、何人も、医業または歯科医業に関する広告において、虚偽の広告、比較優良広告、誇大広告、および公序良俗違反の広告をしてはならないと定める。厚生労働省『医療広告ガイドライン』および『事例解説書』によれば、医療広告の該当性は次の2要件で判断される。

  • 誘引性(患者の受診等を誘引する意図があること)
  • 特定性(医業提供者または病院・診療所の名称が特定可能であること)

本システムは、医療機関個別の誘導を目的とせず、公的データ源に基づく候補一覧を客観要素により並び替えて提示することから、医療広告の枠組みに入ったとしても、虚偽・比較優良・誇大の各類型に該当しない表示設計を徹底する。具体的には以下の禁止事項を内部ガイドラインに明示する。

  • 『最適な医療機関を必ず提示』『最短で受診できる』『最も正確な症状判定』等の断定表現の禁止
  • ランキング形式の優良性表示、および主観的評価による序列化の禁止
  • 利用者のレビュー・体験談を医療機関の優良性の根拠として転載することの禁止
  • 提携有無に応じた並び順の恣意的な固定の禁止(提携枠が存在する場合は、画面上明確にラベル表示を分離する)

7.2 オンライン診療受診施設広告との関係

改正後医療法第6条の7の2は、オンライン診療受診施設の広告を規律する。本システムは、いかなる物理的施設も運営せず、利用者に対してオンライン診療受診施設としての役務を提供しない。本システムが案内するオンライン診療は、提携医療機関およびその医師が、当該医療機関の責任において提供するものである。この関係は、オンライン診療案内画面(MedicineResultPanel 等)に明示する。

7.3 景品表示法との関係

景品表示法第5条は、優良誤認表示および有利誤認表示を禁止し、不実証広告規制を設ける。本システムは、受診支援の効果について、根拠資料を伴わない断定的表示を行わない。サービスの性質は『公的プロトコルに基づく一般的参考情報』であることを、LegalDisclaimer を通じて全画面で明示する。

7.4 中立性ガイドラインの運用

本システムは、特定の事業者への優遇表現を禁じる内部ガイドラインを運用している。主な遵守事項は以下のとおりである。

  • オンライン診療および往診サービスの提示において、特定1社のみを推奨しない。複数社を並列併記し、利用者自身が比較・選択できるよう明記する。
  • 掲載順の恣意的固定を行わない。事業連携の有無は、画面上のラベルによって可視化する。
  • 事業連携が存在する場合であっても、レッドフラグ該当時および赤判定時には、連携先への誘導よりも公的窓口(119、#7119、#8000)を優先して提示する。
  • Pull Request レビューにおいて、特定サービス名が単独推奨されていないか、並列併記が維持されているか、『診断』『判定』の語が利用者向け表示に使われていないか、薬剤・用量・用法の具体的指示が含まれていないかを確認する。

第8章 個人情報保護および情報セキュリティの設計

8.1 要配慮個人情報としての取扱い

個人情報保護法第2条第3項は、病歴その他の本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要する個人情報を、要配慮個人情報として定める。本システムが取扱い得る情報のうち、症状、既往歴、服薬歴、病歴、受診行動、概略の位置情報、時刻は、これらが組み合わされることによって、要配慮個人情報または要配慮個人情報を含む個人関連情報として扱うべき場面が想定される。

要配慮個人情報の取得および第三者提供には、原則として本人の同意が必要であり、個人情報保護法第23条第2項のオプトアウト方式による第三者提供を行うことができない。本システムは、この法的制約を踏まえ、以下の設計原則を採る。

  • 本システムは、問診の実行および結果提示に必要な範囲に限り、最小限の情報(問診選択肢、概略位置、時刻、匿名化されたセッション識別子)を取得する。
  • 氏名、生年月日、電話番号、電子メールアドレス、保険証番号、その他の直接識別子は、本システムの機能上取得しない。
  • 外部の医療サービスへ利用者を遷移させる際、本システム側から個人識別情報を受け渡さない。遷移先のサービスが必要とする個人情報の入力は、当該サービス画面において、当該サービスのプライバシーポリシーのもとで行われる。
  • 統計分析に用いる場合は、個人を特定しない粒度(市区町村、メッシュコード、時間帯、症候カテゴリ等)まで粗粒化し、識別性を残したままの二次利用を行わない。匿名加工情報として扱う場合は、同法の作成基準および取扱い基準に従う。

8.2 同意取得の構造

本システムは、取得目的ごとに同意の対象を分離する。本書作成時点で設計上区別される同意対象は次のとおりである。

同意対象 内容 取得タイミング
問診応答の取扱い 問診結果の画面内表示、および匿名化後の集計 利用開始時
位置情報の取扱い 最寄り医療機関検索および#7119/#8000の地域判定 位置情報を要する画面への遷移時(Geolocation API 許可)
提携医療機関への接続 遷移先サービスへの匿名的なリファラ情報送出 遷移の直前(ただし個人情報は送出しない)
統計・サービス改善目的の利用 匿名加工後の分析、プロトコル改訂の検討 利用開始時(オプトアウト可)

8.3 安全管理措置

個人情報保護法第23条は、個人データの漏えい・滅失・毀損の防止その他の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じることを求める。厚生労働省『医療情報システムの安全管理に関するガイドライン』第6.0版は、医療機関に対する詳細な技術的・組織的安全管理措置を示す。本システムは、医療機関そのものではないが、要配慮個人情報を取扱う蓋然性があることから、これに準じた水準で以下の措置を実装する。

  • 通信経路の暗号化(TLS)および保存データの暗号化
  • 最小権限に基づくアクセス制御および認証・認可管理
  • 操作ログおよび証跡の保全、および定期的な監査
  • 委託先との間における取扱いの監督および契約上の明示
  • 外部攻撃に対する継続的な脆弱性管理および対策

8.4 漏えい等発生時の対応

個人情報保護法第26条および個人情報保護委員会規則は、要配慮個人情報が含まれる個人データの漏えい等が発生し、またはそのおそれがある事態について、個人情報保護委員会への報告および本人への通知を義務づける。実務上、速報は発覚から3〜5日以内、確報は30日以内(不正目的のおそれがある場合は60日以内)が目安とされている。本システムの運営体制は、次の事前準備を行う。

  • インシデント対応手順書および連絡責任者の指定
  • ログ保全および影響範囲特定のための技術的基盤の整備
  • 本人通知文および委員会報告文のテンプレート整備
  • 訓練および年次のレビュー

8.5 保存期間とログ設計

本システムは医療機関ではないため、診療録等の法定保存義務は負わない。他方、利用目的ごとに保存期間を定め、プライバシーポリシーにおいて明示し、目的達成後の削除または匿名化を運用により担保する。監査証跡として保存する情報は、事故発生時の検証および説明責任の遂行のために必要最小限とし、以下を含む。

  • 入力時刻、所在地判定結果、表示した地域窓口(#7119/#8000の有無および代替番号)
  • レッドフラグ判定の有無、表示した候補一覧、並び順ロジックのバージョン
  • 参照した監修マニュアル(JSONフロー定義)の版およびプロトコルバージョン識別子
  • 同意取得の記録、外部送信先、画面上の注意喚起文言

第9章 医学的監修およびガバナンス

9.1 監修体制

本システムは、厚生労働省『オンライン診療の適切な実施に関する指針』Q&Aが、医師以外の者が対応する遠隔健康医療相談について、医師監修マニュアルに従って運用することを前提としていることに対応し、次の監修体制のアサインを公開開始の必須条件とする。監修未了の状態では、本番公開を行わない。

監修領域 想定される監修者 対象ファイル
救急・総合診療 救急専門医または総合診療医 emergency.json, medicine.json, hospital.json
小児 小児科医 15歳未満関連分岐
産科 産科医 em_pregnancy_redflags
精神科 精神科医または公認心理師 em_mental, ResultMentalConsult
公開文言 医療者 全 Result パネル, LegalDisclaimer

9.2 変更管理プロセス

プロトコルおよび文言に関する変更は、次の手続のもとで行う。

  • 変更種別をPull Requestに明示(安全性、根拠、文言、データの4区分)
  • 安全性に関わる変更は、該当領域の監修者のレビューを必須とする
  • プロトコルバージョン識別子(protocol_version)のバンプを行う
  • 監修記録(レビュー日、対象コミット、対象ノード、指摘事項、承認または差戻)を残す
  • 公開前に、未検証事項リストを再確認する

9.3 未検証事項の明示(透明性)

本システムは、根拠が弱いまたは監修未了である分岐・マスタデータを、開発内部および公開情報の両方において明示的に追跡する方針をとる。主な未検証事項は以下のとおりである(2026年4月23日時点)。

  • 高齢者向けおよび小児向けのレッドフラグ追加項目(誤嚥、意識レベル変化等)の整備
  • em_mobility 経由で out_yellow_home へ倒す判断基準の妥当性検証
  • #7119対応地域マスタのうち『未確認』状態にある都道府県の実態調査
  • 往診事業者の市区町村単位での詳細カバレッジ整備
  • 各 Result パネルの文言に対する医療者レビュー
  • LegalDisclaimer の法務確認

9.4 免責文言および利用規約の水準

本システムは、LegalDisclaimer および利用規約において、少なくとも次の水準の注意喚起を常時表示する。これらは、民事上の責任を完全に免除するものではないが、利用者の期待のコントロールおよび誤誘導リスクの低減に資する設計上の防御線である。

本サービスは、利用者が入力した情報にもとづき、一般的な受診行動の参考情報を表示するものであり、個別の診断、診療、治療方針の決定または救急搬送の要否の最終判断を行うものではありません。

胸痛、呼吸困難、意識障害、けいれん、片側の麻痺、激しい出血等がある場合は、本サービスの利用を継続せず、直ちに119番通報してください。

症状、既往歴その他の健康情報は、個人情報保護法上の要配慮個人情報に該当し得るため、当方は明示の同意を得て取得し、別途定める利用目的の範囲で利用します。

オンライン診療または往診を提供するのは、提携医療機関またはその医師であり、当方が医療を提供するものではありません。

9.5 研究・倫理上の位置付け

本システムは、情報提供サービスとして、現段階において、医学的有効性に関する対外的主張、ユーザー回答と実際の受診結果の突合評価、アルゴリズム精度に関する比較試験等は実施していない。

将来、これらを実施する段階に至った場合は、実施内容が研究・倫理審査(医学研究倫理審査委員会等)の対象となりうるものとして取扱い、別途、所定の審査および被験者保護の手続を経た上で行う。この段階において、本システムは情報提供プログラムから『医学研究の手段』へと性質を変えうるため、改めて薬機法、医師法、個人情報保護法、臨床研究法等の観点から再評価される。

第10章 参照法令・ガイドラインおよび類似サービスとの比較

10.1 参照法令・ガイドライン

規範 主要条文・文書 本システムへの含意
医師法 第17条(医業独占)、第20条、第31条 非医師による個別の疾患可能性提示・診断・治療方針決定は禁止。本システムはこれらを提示しない。
医療法(2026年4月1日施行改正後) 第2条の2、第3条、第6条の5(医療広告)、第6条の7の2(オンライン診療受診施設広告)、第6条の8 虚偽・比較優良・誇大広告の禁止、医療提供主体の明示、中立併記を徹底する。
オンライン診療指針・Q&A 2023年改訂指針、2026年Q&A 3区分(オンライン診療・オンライン受診勧奨・遠隔健康医療相談)のうち遠隔健康医療相談に属する設計。
薬機法 第2条第4項、第18項、PMDA該当性相談 診断・治療・予防を目的としない情報提供プログラム。Q助v3準拠により独自診断アルゴリズムを回避。
景品表示法 第5条、不実証広告規制 効果の断定表現、最適性・最短性の主張を行わない。
個人情報保護法 第2条第3項、第20条、第23条、第26条、第27条 要配慮個人情報として取扱い。最小限取得、外部送信時の非識別化、漏えい時の報告・通知体制。
医療広告ガイドライン・事例解説書 最新版 誘引性・特定性、ランキング・レビュー転載の禁止、症例写真・費用表示の適法化。
救急度判定プロトコル ver.3 / Q助 総務省消防庁 本システムの判定ロジックの原典。決定論的な対応づけを維持する。
#7119 関連資料 総務省消防庁 2026年4月時点で全国41地域実施。地域差を動的に反映する。
#8000 関連資料 厚生労働省 全47都道府県で実施。時間帯差を動的に反映する。
最高裁決定(タトゥー事件) 令和2年9月16日第二小法廷決定 医行為の2要件(危険性+医療関連性)を確認。本システムはいずれも充足しない。
医療情報システム安全管理ガイドライン 第6.0版 要配慮個人情報を扱う基盤としての技術・組織的安全管理措置の参照基準。

10.2 類似サービスとの比較

国内外の類似サービスは、いずれも次の5要素を共通して備えている。本システムも同様の方針を採る。

  • 非診断の明示(『診断を行うものではない』旨の常時表示)
  • 緊急除外の明示(緊急時は119等へ直接接続すべき旨の常時表示)
  • 次行動の提示(具体的な受診先類型の案内)
  • 医療提供主体の明示(実際の医療提供者が誰であるかの明示)
  • 根拠体系の保持(公的プロトコルまたは医師監修マニュアルへの対応づけ)
サービス 位置付け 本システムへの示唆
症状検索エンジン型サービス(国内民間) 症状から一般情報と近隣医療機関を案内。公式免責で『医療機器ではなく情報提供のみ』『診断・治療を目的としない』『緊急状態では使用しない』旨を明示。 『一般参考情報』『非診断』『緊急除外』の常時表示は業界標準の実務。
民間往診・オンライン診療サービス 症状チェック後にオペレーターが聴取、医師が緊急度を判断し往診可否や他手段を案内。症状チェックは消防庁プロトコル準拠と明示。 往診・オンライン診療・119を一体導線にする場合、医師トリアージと一般症状チェックを画面上分離して見せることが実務。
全国版救急受診アプリ Q助(総務省消防庁) 緊急度判定プロトコルに基づく自己判断型トリアージ。医療機関検索・受診手段案内への導線を持つ。 日本における公的なベースライン。民間サイトが独自プロトコルを作るより、Q助と整合的に作るほうが説明責任を果たしやすい。
NHS 111 Online(英国) 『診断はしない。症状に応じた最適な助けを得る場所へ導く』と明示。地域限定機能あり、5歳未満はオンラインでなく電話利用を勧める。 『診断をしない』と明言したうえで『何をすべきか』に特化する設計は、日本にも応用可能。
Healthdirect Symptom Checker(豪州) 政府系サービス。『緊急時用ではない』『医療助言として用いるものではない』『急性・緊急状態は000へ』と明示。臨床ガバナンス体制を前面に出す。 政府系サービスでも、非緊急・非医療助言を明確に打ち出しつつ、受診先探索まで接続する構成が実務的。

第11章 要点の要約(Executive Summary)

本システムについて、医療関係者および法律実務家の観点から、最低限抑えていただきたい事項を以下にまとめる。

  • 本システムは、医師法第17条にいう医業には該当しない。最高裁令和2年タトゥー事件決定が示す医行為の2要件(危険性・医療関連性)のいずれも充足しない情報提供プログラムである。
  • 本システムは、厚生労働省『オンライン診療の適切な実施に関する指針』の3区分のうち『遠隔健康医療相談』の類型に属する。個別の疾患可能性提示、診断、治療方針決定、処方判断は一切行わない。
  • 薬機法上のプログラム医療機器には該当しない。判定は決定論的な決定木として公的プロトコル(Q助v3)に対応づけられており、大規模言語モデル等の確率的推論を判定に用いない。
  • 2026年4月改正後医療法の広告規制に対応するため、医療提供主体の明示、比較優良表現の禁止、中立併記の徹底を内部ガイドラインで運用する。
  • 3つの入口(薬・病院検索・救急判断)のいずれにおいても、冒頭にレッドフラグスクリーニングを配し、該当時は救急フローへ強制遷移する二重安全設計を備える。
  • 赤判定画面は119以外の導線を一切表示せず、利用者の意思決定の迷いを排除する。
  • #7119の地域差(2026年4月時点で全国41地域実施)および#8000の時間帯差に、マスタによる動的な分岐で対応する。
  • 症状、既往歴、位置情報等は要配慮個人情報として取扱い、最小限取得、外部送信時の非識別化、漏えい時の報告・通知体制を事前整備する。
  • 救急・小児・産科・精神の各領域における医療監修、および法務による免責文言の確認を、公開の必須条件とし、未検証事項を内部・外部の双方に透明化する。